チュートリアル

サウンドオプティマイザーの使い方:音声をもっと良い音にするためのかんたんガイド

無料のサウンドオプティマイザーがポッドキャスト、ナレーション、音楽のためにできること、手順ごとの使い方、仕上げに役立つ他の無料ツールをご紹介します。

執筆:Yunus S. 公開日: 更新日:

サウンドオプティマイザーの使い方はかんたんです。音声ファイルを開き、ローカットで低いゴロゴロ音を取り除き、ノイズゲートで無音部分を静かにし、低音・中音・高音で音色を整えます。続いてコンプレッサーで音量をそろえ、ラウドネスが-14 LUFS付近(ポッドキャストは約-16 LUFS)、ピークが-1 dB以下になるまで「音量/ゲイン」を上げ、結果をWAVファイルとしてダウンロードします。

まとめ

無料のサウンドオプティマイザーでは、次のことができます。

  • 低いゴロゴロ音を抑え、録音の無音部分のハムノイズやヒスノイズを消す。
  • 声をよりクリアに、温かく、耳ざわりの少ない音にする。
  • 小さな録音を音割れさせずに大きくする。
  • フェードを加え、速度やピッチを変え、8Dオーディオを作る。
  • Spotify、YouTube、ポッドキャストに合ったラウドネスのWAVファイルをダウンロードする。

ソフトウェアもアカウントも不要で、ファイルがお使いのデバイスの外に出ることはありません。

サウンドオプティマイザーとは?

ポッドキャスト、動画用のナレーション、自分の曲などを録音したことがあるなら、録ったままの音がプロの音声ほど整っていないことに気づいたかもしれません。声がこもっていたり、背景にブーンという音が入っていたり、一部の言葉だけが大きかったり、全体の音量が小さすぎたりします。

サウンドオプティマイザーは、こうした問題への定番の対処を1ページにまとめたツールです。ファイルを開き、結果を聴きながらいくつかのスライダーを動かし、改善したバージョンをダウンロードするだけです。インストールするものはなく、音響の専門知識も必要ありません。

コンデンサーマイク、ポップフィルター、スタジオヘッドホン、パソコンを備えた自宅のポッドキャストスタジオ
シンプルな自宅の機材で十分です。静かな部屋で録音し、サウンドオプティマイザーで音を整えましょう。

サウンドオプティマイザーでできること

このツールでできることを、わかりやすい言葉で説明します。録音の状態に合わせて、1つだけ使っても、すべて使ってもかまいません。

音声をすぐにチェック

ファイルを開くとすぐに、3つの数値が表示されます。テンポ (BPM)の推定値、全体のラウドネス(LUFS)、そしてファイル内で最も大きい点であるピークです。再生中は、ラウドネスとピークのメーターが調整後のリアルタイムの値に切り替わるため、目標に近づいているかをいつでも確認できます。

背景ノイズとゴロゴロ音を除去

ローカットは、車の走行音や机にぶつかった音などの低いゴロゴロ音を取り除きます。ハイカットは、電話やビデオ通話の録音に入るヒスノイズを和らげます。ノイズゲートは、言葉の合間に聞こえるパソコンのファンやエアコンの音、部屋のノイズを消音します。

声をクリアにする

低音、中音、高音のスライダーで、声をより温かく、厚く、または明るくできます。録音がこもっていたら、低音を少し下げます。音が鈍く聞こえたら、高音を少し上げます。ディエッサーは、ヘッドホンで耳につきやすいサ行の鋭い音を和らげます。

小さな音声を歪ませずに大きくする

音量/ゲインは録音を大きくします。音割れを防ぐため、まずコンプレッサーが笑い声や張り上げた声などの最も大きい部分を抑え、録音全体の音量をそろえます。それでも書き出し時にピークが0 dBを超える場合は、全体のレベルが自動的に-1 dBまで下げられます。

フェードやクリエイティブなエフェクトを追加

曲の始まりになめらかなフェードインを、終わりにフェードアウトを加えられます。クリエイティブな用途では、速度やピッチを変えられます。どちらもレコードプレーヤーのように動作するため、テンポとピッチは一緒に変わります(速く高くすると、いわゆる「ナイトコア」風の音になります)。片方だけを変えたい場合は、ピッチ&スピード変更ツールを使ってください。8Dオーディオは、ヘッドホンで聴いたときに音が左右にゆっくり移動する効果です。

あらゆるプラットフォームに対応したファイルをダウンロード

音に満足したら、ステレオかモノラル、そしてサンプルレートを選びます。音楽やポッドキャストなら44.1 kHz、動画なら48 kHzです。結果は16ビットのWAVファイルとしてダウンロードされ、ボタンの下に書き出したファイルのラウドネスとピークが表示されます。

ご自身の録音、ポッドキャスト、ナレーション、ロイヤリティフリーの音楽など、ご自身が権利を持つ音声、または使用許可を得た音声でご利用ください。他人の楽曲を編集して公開するには、通常、権利者の許可が必要です。

サウンドオプティマイザーの使い方:かんたん6ステップ

変化をはっきり聴き取れるようにヘッドホンをつけて、次の手順に進みましょう。

ステップ1: 音声ファイルを開く

サウンドオプティマイザーを開き、ファイルを選択ボックスにドラッグするか、ファイルを選択をクリックします。MP3、WAV、FLAC、M4Aは最新のブラウザすべてで使えます。OGGはブラウザによって異なります。録音の元のWAVファイルがあれば、それを使うと最も良い音質になります。

ステップ2: メーターを確認する

スタジオは選択ボックスのすぐ下にあります。ファイルが読み込まれると、波形、テンポ、ラウドネス、ピークレベルが表示されます。ラウドネスの値に注目してください。目標までどのくらい離れているかがわかります(下の表を参照)。

ステップ3: 背景をクリーンにする

再生を押します。低いゴロゴロ音が聞こえたら、消えるまでローカットをゆっくり右に動かします。声には80~100 Hzが適しています。次に、誰も話していない部分を再生し、背景が静かになるまでノイズゲートを上げます。語尾が消え始めたら、少し戻してください。詳しくは背景ノイズ除去ガイドをご覧ください。

ステップ4: 音をクリアにする

低音、中音、高音のスライダーを1~3 dBずつ小さく動かします。小さな変化は自然に聞こえますが、大きな変化はそうなりにくいものです。サ行の音が鋭い場合は、なめらかに聞こえるまでディエッサーを上げます。各スライダーで何が変わるかは、低音・中音・高音のガイドで説明しています。

オーディオミキシングコンソールのイコライザーノブとフェーダーを調整する手のクローズアップ
低音・中音・高音のスライダーは、ミキサーのトーンつまみと同じように働きます。小さく動かすのが、自然な音への近道です。

ステップ5: 適切な音量に設定する

まず圧縮比を3:1前後にし、最も大きい部分がやさしく抑えられるまでコンプレッサーのスレッショルドを左に動かします。次に、メーターを見ながら音量/ゲインを上げます。ラウドネスが目標に近づき、ピークが-1 dB以下に収まっているところで止めます。ピークが高くなりすぎる場合は、音量を上げる前にスレッショルドをもう少し下げてください。詳しくはSpotify向けマスタリングガイドで解説しています。

ステップ6: フェードを加えてダウンロードする

必要に応じて、短いフェードインとフェードアウトを加えます。次にステレオ(音楽や動画)かモノラル(1人の声)を選び、音楽やポッドキャストなら44.1 kHz、動画なら48 kHzを選んで、オーディオをダウンロード (WAV)をクリックします。ファイルがデバイスに保存され、ボタンの下に最終的なラウドネスとピークが表示されます。

音声の音量はどのくらいにすべき?

Spotify、YouTube、そして多くのストリーミングアプリは、再生するコンテンツの音量をそろえています。音声が目標値よりかなり大きいと下げられ、かなり小さいと他のコンテンツと比べて弱く聞こえることがあります。次の値を目安にしてください。

公開先 ラウドネスの目標 トゥルーピーク
Spotifyなどの音楽アプリ 約-14 LUFS -1 dBTP以下
YouTubeやSNSの動画 約-14 LUFS -1 dBTP以下
ポッドキャスト(Apple Podcastsなど) 約-16 LUFS -1 dBTP以下

Spotifyとポッドキャストの目標値は、各プラットフォームが公表しているものです。Spotifyのラウドネスに関するガイドライン とApple Podcastsのオーディオ要件 をご覧ください。YouTubeは公式の数値を公表していませんが、約-14 LUFSで再生されると広く報告されています。数値はマイナスなので、-14は-16より大きい音です。サウンドオプティマイザーのピークメーターはサンプルピークを表示します。完成したファイルのトゥルーピーク(dBTP)を確認するには、LUFS&ピーク解析ツールで開いてください。

すぐに始められるおすすめ設定

どこから始めればよいか迷ったら、次の設定を試し、そのあと耳で確認しながら調整してください。声も部屋も、それぞれ少しずつ違います。

設定 ポッドキャスト・ナレーション 音楽・ビート
ローカット 80~100 Hz オフ
ノイズゲート -55 dB前後 オフ
ディエッサー 20~35% 0%
低音 / 中音 / 高音 -1 / 0 / +2 dB 必要な場合だけ小さく調整
コンプレッサー スレッショルド -20 dB、圧縮比 3:1 スレッショルド -14 dB、圧縮比 2:1
ラウドネスの目標 ポッドキャストは-16 LUFS、動画は-14 LUFS(モノラルのファイルは約3 LU低く測定されるため、モノラルでは約-19 LUFSが目安) -14 LUFS
ダウンロード モノラル、44.1 kHz(動画ならステレオ、48 kHz) ステレオ、44.1 kHz

さらに詳しいコツは声をプロのように聞かせる方法をご覧ください。

よくある問題のかんたん解決法

  • 音量を上げると音が歪む。 「音量/ゲイン」を少し下げ、「コンプレッサーのスレッショルド」をさらに左に動かすか圧縮比を上げてから、ピークメーターを見ながらもう一度試してください。
  • 言葉の語尾が切れてしまう。 ノイズゲートの設定が高すぎます。言葉が最後まで聞こえるようになるまで、少し戻してください。
  • 声が薄っぺらい、または金属的に聞こえる。 ローカットの周波数を下げ、高音を控えめにしてから、低音を1 dB上げてください。
  • 音が平坦で生気がない。 コンプレッサーが強くかかりすぎています。圧縮比を下げ、少し低めのラウドネスで仕上げてください。
  • ダウンロード後に8D効果が消えた。 8Dはステレオでのみ機能します。ダウンロード前にステレオを選び、ヘッドホンで聴いてください。
スタジオヘッドホンと小型ミキサーの横に置かれたデスク上のポッドキャスト用マイク
サウンドオプティマイザーを他の無料ツールと組み合わせれば、録音を素材ファイルから完成したエピソードまで仕上げられます。

他の無料ツールでさらにできること

サウンドオプティマイザーは、よく使う改善作業を1か所でこなせます。それ以外の作業には、Free Audio Labの専用の無料ツールをご利用ください。

最適化の前に

最適化の後に

1つの作業だけしたいときは

やりたいこと 使う無料ツール
低音・中音・高音を調整する 3バンドEQ
背景ノイズを消音し、鋭いサ行の音を和らげる ノイズゲート&ディエッサー
曲の速度やキーを変える ピッチ&スピード変更ツール
8Dオーディオを作る 8Dオーディオメーカー
フェードインやフェードアウトを加える オーディオフェードツール
ステレオのファイルをモノラルにする ステレオ→モノラル変換ツール
曲のテンポとキーを調べる BPM&キー解析ツール

すべてのツールはツール一覧ページでご覧いただけます。

お役立ちガイド

さっそく音声を改善してみましょう

サウンドオプティマイザーでできることと使い方がわかりました。ご自身の録音で試して、元の音と比べてみてください。

無料のサウンドオプティマイザーを開く

無料・登録不要で、ファイルがデバイスの外に出ることはありません。

よくある質問

サウンドオプティマイザーとは何ですか?

サウンドオプティマイザーは、録音をよりクリーンで、クリアで、安定した音にするための無料オンラインツールです。背景ノイズを抑え、声の音色を調整し、音量をそろえ、フェードやエフェクトを加えて、結果をWAVファイルとしてダウンロードできます。

音量を上げると音が歪むのはなぜですか?

最も大きい部分が0 dBを超えているためです。「コンプレッサーのスレッショルド」を下げ、「圧縮比」を少し上げてその部分を抑えてから、ピークメーターを見ながらもう一度音量を上げてください。

背景ノイズをすべて除去できますか?

低いゴロゴロ音を取り除き、言葉の合間に続くハムノイズやヒスノイズを消音できます。話している最中に鳴っているノイズは取り除けないため、静かな部屋で録音するのが最も良い方法です。