8Dオーディオは、音が頭の周りを回っているように聞こえる、普通のステレオ音声です。音を片方の耳からもう片方へゆっくりパンし、「後ろ」にある間は音色を変え、リバーブを加えて作ります。ヘッドホンでしか効果はありません。作るには、8Dオーディオメーカーで曲を開き、回転時間とリバーブを設定して、結果を書き出します。
まとめ
要点:
- 8Dは呼び名で、8つの次元があるわけではない。ファイルは普通のステレオ。
- 動きは、左右の耳の音量差から生まれる。
- 暗めの音色とリバーブが「後ろ」と「遠く」を感じさせる。
- ヘッドホンが必要。スピーカーでは効果が失われる。
- 1周6~10秒なら落ち着いて聞こえる。速くすると疲れる。
8Dオーディオの正体
名前からは新しい技術のように思えますが、8Dのトラックは他と同じステレオファイルで、チャンネルは左と右の2つです。違うのはミックスです。曲全体が、聴く人の周りをゆっくり円を描くように動かされています。バンドが椅子の周りを歩いているようなものです。9D、16D、100Dといった名前も同じものを指しており、数字は飾りです。
この効果は2010年代の終わりに動画プラットフォームで広まり、音楽鑑賞だけでなく、リラックスや集中のためにも使われています。Dolby Atmosや、スマートフォンやヘッドホンの空間オーディオとは別物です。それらは音を個別に保存し、頭の動きに反応することもできます。8Dオーディオはファイルに固定されており、どこでも再生できます。
耳が音の方向を判断する仕組み
私たちは、左右の耳を比べることで音の方向を判断しています。右から来た音は、頭が左耳を遮るため右耳のほうが大きく聞こえ、右耳に1ミリ秒に満たないほど早く届きます。音量の差は高い周波数で、時間の差は低い周波数でよく働きます。物理学者のウィリアム・ハートマンが、How We Localize Sound でこの2つを説明しています。
耳にとって左右の判断は簡単ですが、前後はそうではありません。真正面の音と真後ろの音は、両耳に同じタイミング、同じ音量で届くからです。ここで役立つのが耳介です。耳介のひだは、方向によって音に異なる色付けをし、後ろから来た音は高い周波数の一部を失います。また、私たちは確かめるために、気づかないうちに頭を少し動かしています。
8Dエフェクトは、こうした手がかりを単純な方法でまねています。パンが音量の差を作ります。円の半分の間、音色を少しこもらせることで「後ろ」を感じさせます。リバーブは部屋を加え、それによって距離感が生まれます。プロ向けのバイノーラルツールは、頭と耳の形までモデル化しますが、聴く人の周りを滑らかに回る音楽で耳にするのは、たいていこの単純なほうです。
各設定の働き
| 設定 | 変わるもの | 最初に試す値 |
|---|---|---|
| 回転時間 | 1周にかかる時間 | 6~10秒 |
| 広がり | 音が左右にどこまで動くか | 80~100% |
| 前後感 | 後ろで音がどれだけ暗くなるか | 約50% |
| リバーブ | 音の周りの空間の大きさ | 10~20% |
4ステップで8Dオーディオを作る方法
必要なのはブラウザとヘッドホンです。ファイルはデバイスの中にとどまります。
ステップ1: 曲を選ぶ
権利を持っているファイルを使ってください。
ステップ2: 8Dオーディオメーカーで開く
ファイルを8Dオーディオメーカーに読み込みます。初期設定のまま、すぐにエフェクトがかかります。
ステップ3: 動きを調整する
ヘッドホンを着けて「再生」を押します。動きで酔いそうなら回転時間を長くし、耳から耳への移動がきつく感じるなら広がりを下げてください。リバーブを少し加えると、動きがなじみます。
ステップ4: ダウンロードして音量を確認する
WAVをダウンロードします。音割れを防ぐ必要があるときは、ツールが音量を下げるため、元の音より小さくなることがあります。サウンドオプティマイザーで音量を戻せます。
向いているものと向いていないもの
- 落ち着いた、音の伸びる音楽が最適:パッド、ボーカル、アコースティックな曲などです。音数が非常に多い曲や低音の強い曲は、全体が動くと不安定に感じられることがあります。
- 速いより遅いほうがよい:1周が4秒を切ると、エフェクトばかりが気になり、耳が疲れます。
- スピーカーでは成立しない:スマートフォンのスピーカーや車の中では2つのチャンネルが混ざり、動きはゆっくりした音量の変化になってしまいます。
- 権利はそのまま残る:他人の曲の8D版は、その人の曲のままです。自分の音楽か、使用許諾を得た音楽を使ってください。