波形とは、音の1周期ぶんの形のことです。サイン波は1つの純粋な周波数だけからなり、他の基本波形は、その周波数の整数倍である倍音を上に重ねたものです。三角波は弱い倍音を少し持ち、矩形波は強い奇数倍音を持ち、ノコギリ波はすべての倍音を持ちます。ノコギリ波が最も明るく聞こえるのはこのためです。シンセサイザーは、これらの波のどれかから始めて、フィルターとエンベロープで音を形作ります。
まとめ
要点:
- サイン波:倍音なし。純粋で柔らかい。
- 三角波:すぐに弱まる奇数倍音。穏やか。
- 矩形波:ゆっくり弱まる奇数倍音。中が抜けたような音。
- ノコギリ波:すべての倍音。明るく鋭い。
- フィルターは倍音を取り除き、エンベロープは時間に沿った音量を形作る。
波形によって音が違う理由:倍音
同じ音をフルートとバイオリンで鳴らしてみると、高さは同じでも、音色は違います。その違いは倍音にあります。ほとんどの楽音は、基音(私たちが音の高さとして聞く周波数)と、その2倍、3倍、4倍…の周波数にある、より小さな一連の音からできています。どの倍音が含まれ、それぞれがどのくらい強いかが、音の色合いを決めます。
数学者ジョゼフ・フーリエは、繰り返すどんな波形も、こうした整数倍のサイン波を足し合わせることで作れることを示しました。シンセサイザーの定番の波形では、その配合は単純です。MITの電子工学講座の実習資料 がまとめているとおり、矩形波は奇数倍音だけを含み、それぞれの強さは「1÷その番号」です。三角波も同じ奇数倍音を含みますが、番号の2乗に反比例して弱まります。ノコギリ波は、奇数も偶数も、すべての倍音を含みます。
4つの基本波形
サイン波
サイン波は、倍音をまったく含まない、ただ1つの周波数です。口笛や音叉のように、純粋で丸く、柔らかい音がします。単体では、色を付けずに重みだけを加えたいサブベースに使われます。また、あらゆる音の材料でもあります。他のすべての音は、サイン波の足し合わせだからです。
三角波
三角波は、サイン波の縁をまっすぐにしたような形で、音はサイン波を少し明るくしたように聞こえます。奇数倍音はありますが、弱いものです。第3倍音は基音の9分の1、第5倍音は25分の1です。柔らかいリード、フルートのような音、穏やかなベースに向いています。
矩形波
矩形波は2つのレベルの間を跳び移り、それぞれに同じ時間だけとどまります。三角波と同じ奇数倍音を含みますが、はるかに強く、3分の1、5分の1、7分の1となります。偶数倍音がないため、クラリネットに少し似た、中が抜けたような木質の音になります。初期のビデオゲームの音でもあります。1周期の前半と後半の長さを不均等にするとパルス波になり、音は細く、鼻にかかったようになります。
ノコギリ波
ノコギリ波は、斜めに上がっては一気に落ちる形をしています。すべての倍音を含み、それぞれの強さは「1÷その番号」です。そのため、4つの中で最も豊かで明るい音になります。ストリングス、ブラス、パッド、リードの出発点としてよく使われるのは、このためです。すべての倍音がそろっていれば、フィルターで加工できる素材が最も多くなります。
| 波形 | 倍音 | 音 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| サイン波 | なし | 純粋、柔らかい | サブベース、単純な音 |
| 三角波 | 奇数のみ、急速に減衰(1/n²) | 穏やか、フルートのよう | 柔らかいリード、穏やかなベース |
| 矩形波 | 奇数のみ、ゆるやかに減衰(1/n) | 中が抜けた、木質の音 | レトロなリード、クラリネット風の音、ベース |
| ノコギリ波 | すべて(1/n) | 明るい、鋭い | ストリングス、ブラス、パッド、リード |
元の波から楽器の音へ
加工していないノコギリ波は、耳障りなブザーのような音です。それを楽器の音に変えるのは、そのあとの処理です。最も一般的な方式である減算合成では、波はローパスフィルターを通り、選んだ周波数(カットオフ)より上の倍音が取り除かれます。カットオフを下げると、音は暗く、丸くなります。レゾナンスを上げると、カットオフ付近の倍音が強調され、フィルターに声のような、笛のような鋭さが加わります。
2つ目の道具がエンベロープで、通常はADSR(アタック、ディケイ、サステイン、リリース)と書かれます。1つ1つの音の音量が、時間とともにどう変わるかを決めます。速いアタックと短いディケイなら、はじいたような音になり、遅いアタックと長いリリースなら、パッドになります。同じノコギリ波が、フィルターとエンベロープ次第で、ベースにも、ストリングスにも、ベルのようなプラックにもなります。
3つ目の工夫がデチューンです。同じ波を数セントずらして鳴らす2つのオシレーターは、互いにずれたり合ったりを繰り返し、どちらか一方だけよりも広がりのある、生き生きした音になります。
自分の耳で確かめる
波形を覚える最も速い方法は、1つの音を鳴らし続けたまま、波形を切り替えることです。
ステップ1: シンセサイザーを開く
Webシンセサイザーを開き、キーを押し続けます。鍵盤の上の表示に、波の形が映し出されます。
ステップ2: 波形を切り替える
サイン波から、三角波、矩形波、ノコギリ波へと切り替え、倍音が加わるにつれて音が明るくなる様子を聴きます。
ステップ3: フィルターを動かす
ノコギリ波を選んだ状態で、カットオフを高いほうから低いほうへ動かし、倍音が消えていくにつれて波がなめらかになる様子を見ます。
ステップ4: エンベロープを変える
長いアタックとリリースでパッドを作り、次に、サステインなしの短いディケイでプラックを作ります。
音の高さと周波数の関係は、周波数→音名変換ツールで確認できます。