ヘルツを音名に変換するには、その周波数とA4 = 440 Hzの間の半音数を数えます。式は 12 × log2(f / 440) です。最も近い整数が音名を表し、残りが何セント高いか低いかを示します。声のピッチを調べるには、安定した母音をチューナーに向かって歌うか発声し、基本周波数を読み取って変換します。
まとめ
要点:
- A4 = 440 Hzが基準で、1オクターブで周波数は2倍になります。
- 半音は約1.0595倍で、100セントが半音に当たります。
- 中央のドはC4 = 261.63 Hzです。
- 一般的な話し声:男性は約85~155 Hz、女性は約165~255 Hz。
- 流れる話し声ではなく、伸ばした母音を測ります。
基準:A4 = 440 Hz
周波数に音名を付けるには、まず基準を決める必要があります。現在の基準はA4、つまり中央のドの上のラで、440 Hzです。国際標準化機構(ISO)が1955年にこれを採用し、1975年にISO 16 として発行しました。それ以前は、オーケストラや国によってさまざまな値が使われていました。今でも、442 Hzや443 Hzと少し高めに合わせるオーケストラがあります。
この1つの基準から、他のすべての音が決まります。西洋音楽で使われている平均律は、音を均等に配置するからです。1オクターブの12の半音は、それぞれ周波数を2の12乗根(約1.0595)倍にし、12回で2倍になります。
計算式:ヘルツから音名へ
ある周波数fとA4の間の半音数nは、n = 12 × log2(f / 440) です。nを最も近い整数に丸め、その数だけA4から上へ(負の場合は下へ)半音を数えると、音名がわかります。丸めたときに切り捨てた部分を100倍したものが、セント単位のずれです。
例を挙げます。ある声が196 Hzの音を伸ばしているとします。12 × log2(196 / 440) = -14.0 なので、音はA4の14半音下、つまりG3です。200 Hzの音では-13.65になります。最も近い音はやはりG3で、残りの0.35半音は、35セント高いことを意味します。
手で計算する必要はありません。周波数→音名変換ツールが、音名、セント、その音の正確な周波数を表示し、音を鳴らして確認することもできます。
オクターブ番号:C4はどのド?
音名だけでは、どの高さかがわかりません。どのオクターブにもラ(A)があるからです。音声ソフトで使われている国際式(科学的ピッチ表記)は、音名に番号を付けます。オクターブはドごとに切り替わり、中央のドがC4、その上のラがA4です。古い方式であるヘルムホルツ式は、番号の代わりに大文字・小文字とダッシュ記号を使い、中央のドをc′、A4をa′と書きます。1つ注意点があります。一部のMIDIソフトはオクターブを1つ低く数え、中央のドをC3と呼びます。日本でもこの数え方がよく使われるため、ソフトがどちらの方式かを確認してください。
一般的な声の音域(Hzと音名)
声は人それぞれですが、ほとんどは予想できる範囲に収まります。以下は一般的な目安です。個々の声には差があり、資料によって数値も異なります。
| 声 | 基本周波数 | 音名 |
|---|---|---|
| 成人男性の話し声 | 約85~155 Hz | F2~D♯3 |
| 成人女性の話し声 | 約165~255 Hz | E3~C4 |
| バス(歌声) | 約82~330 Hz | E2~E4 |
| テノール(歌声) | 約131~523 Hz | C3~C5 |
| アルト(歌声) | 約175~698 Hz | F3~F5 |
| ソプラノ(歌声) | 約262~1047 Hz | C4~C6 |
基本周波数は、声の最も低い部分にすぎません。倍音と共鳴はずっと高い帯域まで伸びているため、声がはっきり聞こえるには数キロヘルツまでの帯域が必要です。声がピッチとトーンを生み出す仕組みは、オーディオのピッチとは?で説明しています。
声のピッチを調べる方法
必要なのは、周波数を読み取る手段と、変換です。
ステップ1: 安定した母音を伸ばす
話し声は絶えず上下に動くため、読み取るべき1つの周波数がありません。代わりに、楽な音量で、長く安定した「アー」を歌うか発声してください。
ステップ2: 基本周波数を読み取る
チューナーアプリか、音声ソフトのスペクトラム表示を使います。基本周波数は、最も低い位置にある強いピークです。その上の、2倍、3倍、4倍の周波数にあるピークは倍音です。
ステップ3: 音名に変換する
周波数を周波数→音名変換ツールに入力します。最も近い音名と、声がそれより何セント高いか低いかが表示されます。「音を再生」を押すと、その音と自分の声を聴き比べられます。
ステップ4: 結果を活用する
音名がわかれば、声に合ったキーを選んだり、ピッチ&スピード変更ツールで伴奏を必要な半音数だけ動かしたりできます。
Hzから音名への変換が役立つ場面
- ドラムとベースのチューニング:49 Hzで鳴っているキックや808はG1です。曲のキーがAなら、55 Hz(A1)に合わせると低域がまとまります。
- 共振を見つける:EQをスイープして392 Hzに響く音を見つけたら、変換ツールでそれがG4だとわかります。その音が音楽のものか、部屋のものかを判断する助けになります。
- キーを選ぶ:無理なく歌える最低音と最高音がわかれば、それに合う曲を選んだり、移調したりできます。既存の曲のキーはBPM&キー解析ツールで調べられます。